黄色の話

これは『いとうつくしきもの』シリーズの
「遠くて近きもの -月-」です。

この月をつくるとき、
正確に言うと、月を黄色に塗るときに
度々思い出すことがあります。


倉敷意匠さんとの木玩『いとうつくしきもの』をつくるにあたり、
どうしても表現したい彩色があって、
試し塗りをする為に、塗料のショールームに行きました。
大体のお客さんは板材などを持ち込むのだと思いますが、
自分が用意していったのは、
いつもの木玩サイズの小さな木の物体で。
それを見た担当のお姉さんは一瞬「?」という感じでしたが、
「早速、塗ってみましょう!」とニッコリ。
あまり聞かれないだろうややこしめな質問をしても、
丁寧に教えてくれたり、調べてくれたりで、
“おぉ、頼れる!安心!”となりました。

仕事なんだから普通でしょと思いきや、
わりといません?
その場しのぎの回答で流したりとか、
“面倒くせー”って顔に書く筆圧が強いな、って方々。

大事な制作の準備段階で、丁寧なお姉さんが担当で心強し。
木の種類を変えたりしながら、
緑、赤、青と試し塗りを進めて、
黄色を塗った瞬間、
「カワイイ!」と二人で声が出ました。
人形にそれほど興味無さそうだったお姉さんが瞬間で反応したので、
その“カワイイ”は営業的なものではなく、
本物なんだなと思いました。
共有できた実感がすごく大きく残っています。
あの時の何とも言えない嬉しさを、
黄色を塗るときに思い出すのです。
ひよこたちも黄色!
よしよし、カワイイぞ!!!

端書き

架空広告と木玩の制作所。お知らせと日記。

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